2015-16 スペイン2部LEB Oro(レブ・オロ)

7月にスペイン2部3部(LEB)2015-16の編成はこうなる?というエントリーをしましたが、いよいよ今週末開幕のスペイン男子2部リーグのLEB Oro(レブ・オロ / オロは金の意味で英語メディアではLEB Goldという表記も)のチーム数が16チームに決まりました(7月の時点では14チームの予定でした)。

※ちなみに3部リーグ 2015-16はこちらを参照

簡単にですが、どんなチームが参戦しているのかをまとめました。記事の最後に日本から無料で視聴(合法)する方法も紹介しています。

2015-16シーズンの2部参戦チーム

※括弧内は2014-15シーズンの成績

  • サンパブロ・インモビリアリア・ブルゴス(2部1位)
  • オウレンセ(2部2位)
  • カフェス・カンデラス・ブレオガン(2部3位)
  • パルマ・エアー・ヨーロッパ(2部5位)
  • アクテル・フォルサ・ジェイダ(2部6位)
  • プラナサ・ナバーラ(2部7位)
  • ケソス・セラト・パレンシア(2部8位)
  • メリリャ・バロンセスト(2部9位)
  • レイマ・ナトゥラ・バスケット・コルーニャ(2部10位)
  • オビエド(2部11位)
  • ペーニャス・ウエスカ(2部12位)
  • コシナス・プント・コム(2部13位)
  • C.B.プラット(2部15位)
  • カセレス(3部1位)
  • アミックス・カステジョ(3部2位)
  • F.C.バルセロナ・ラッサB(3部12位)

サンパブロ・インモビリアリア・ブルゴス(昨季2部1位)

1部ACB昇格の権利を得ながら財政問題から昇格できなかったブルゴスの後継チーム?サンパブロ・インモビリアリアはスポンサー名?クラブ名(運営会社名)はC.B.ミラフローレス、ブルゴスが都市名。ブルゴスは昨季2部リーグのレギュラーシーズン1位だが..

エストゥディアンテスのカンテラ出身エドゥアルド・マルティネスがオウレンセから移籍、ACB経験のあるガードのラファエル・ウエルタスとも契約、フエンラブラダからはハビエル・ベガが移籍してきてエースとしての活躍が期待されます。また23歳でリトアニアのアンダー世代の代表経験があるアウグスタン・ペチュケヴィチュス(193cm)とも契約、さらに以前bjリーグの仙台でプレーしたクロアチア人ビッグマンのフィリップ・トンチニッチも加入したようです。(外国人選手はリトアニア人x2 クロアチア人x2 オーストリア人x1)

オウレンセ(昨季2部2位)

ブルゴスと同じく1部ACB昇格の権利を得ながら、経済面などの条件を期限までに満たせず2部残留、その後条件をクリアも間に合わず、2016-17シーズンからの1部ACB昇格を確約された中で今季戦うことに。

昨季のメンバーからはベテランPGのペドロ・リベロとPFのギジェルモ・レホンが残り、新加入選手の多くはレンタルでの獲得ながらACBチームの若き才能を揃えました。まずは17歳でレアル・マドリードでトップデビューしたジョナタン・バレイロ、セビーリャの育成組織出身ベラルーシ人のマクシム・サラシュ、さらにエストゥディアンテスのカンテラ出身アンデル・マルティネスが注目。中堅ではベネズエラのジョルナン・サモラも加入、そしてもう1人トリニダード・トバゴ出身の25歳213cmのカイル・ロウリーがビルバオからレンタルで加入、大卒新人としてスペイン3部2部で活躍してビルバオに引き抜かれましたが、今季もレンタルで2部でプレーします。(ロウリーのウイングスパンは230cm)

カフェス・カンデラス・ブレオガン(昨季2部3位)

エースのアレックス・ジョルカがACBのフエンラブラダに移籍してしまいましたが、主力のダニ・ロペスママドゥ・サムは残留、新加入では元スペイン代表のホセ・ルイス・ジョレンテの息子、セルヒオ・ジョレンテ(25歳185cnのPG / エストゥディアンテスのカンテラ出身)が加入、さらに15歳からスペインでプレーしているモンテネグロ人ガードのニコラ・ラコセビッチ(24歳192cm)、そして新卒ですが、あのNBAで20シーズンプレーしたジュワン・ハワードの息子さんジュワン・ハワード Jr.とも契約しました。

パルマ・エアー・ヨーロッパ(昨季2部5位)

昨季のメンバーはほぼ残らず新加入9人で新たなシーズンですが強力なメンバーが揃いました。ウニカハのBチームであるクリニカス・リンコンからはミスターLEBの異名もあるPFのリカルド・ギジェンが加入、同じくクリニカス・リンコンからはアルビダス・サボニスの次男(TAUTVYDASがファーストネームですがtutyと書いてトゥティーと呼ばれている模様)も移籍してきました。さらに昨季は3部リーグで平均16.4得点と活躍した24歳190cmのPG/SGのスペイン人エドゥ・ドゥランとも契約(昨季1試合40得点を記録したことも)。さらにはACB経験のあるガードコンビ、ミケル・ウリスオスカール・アルバラードをバリャドリードからセットで獲得しました。

アクテル・フォルサ・ジェイダ(昨季2部6位)

昨季から残るのはベテランガードのホセ・シメオンとセンターのアルフォンソ・アルサモラなど、そこに新加入6選手でプレーオフ進出を狙います。注目はマンハッタン大から加入のドミニカ系エミー・アンドゥハー(Emmy Anduajr)で、198cmの22歳SFのようです。もう1人の注目がバルサのカンテラ出身でスペインの各年代別代表でプレーしたPGのジョゼップ・ペレス。他にチェコ人ビッグマンのトマス・アンプルも加入しています。

プラナサ・ナバーラ(昨季2部7位)

昨季はプレーオフ進出も今季の現実的な目標は3部に降格しないこと、エースになるのは新加入のオリベル・アルテアガ、ウニカハのカンテラ出身セネガル人のマンド・ンギラネも新加入とインサイドはなかなか、そこにSG/SFのミキ・セルベラが残留でこれがチームの核となる部分。しかしアメリカ人選手もゼロでのぞむ今季は苦しい戦い。新加入では昨季モザンビークリーグに行っていた33歳のスペイン人Gエンリック・ガリード、元バルサのベテランのイバン・ガルシアの活躍もかかせません。またここ2年スペインACBのテネリフェで経験のある22歳のセルヒオ・ロドリゲス(あの有名な元NBA選手と同姓同名ですが別人、195cmのSFです)もレンタル移籍で加入しています。

ケソス・セラト・パレンシア(昨季2部8位)

長年チームを率いたナチョ・レスカーノさんが退任、新たにACBで経験豊富なポルフィリオ・フィサックさんをHCに迎えて再出発、ベテランを中心に手堅いチームづくりになるか。チームの中心はPFのウルコ・オテギ、そしてバルサのカンテラ出身でACB経験のあるPGのダニ・ペレスとジュベントゥットのカンテラ出身ジョアン・トマス。手堅い補強はベテラン勢でスペイン国籍も持つアメリカ人37歳のアメリカ人センター、ラモント・バルネス、そして2部で実績のある33歳のマルク・ブランを獲得しています。

さらにオーストラリア人SGでNCAA Div.2の年間最優秀選手ミッチ・マッカロンと契約したようです。

メリリャ・バロンセスト(昨季2部9位)

毎シーズン戦力的には上位進出、優勝も狙えるメンバーを揃えるメリリャ、今季は新加入7選手で上位進出を狙います。チームの中心として期待されるのはACBでも経験豊富なセンターのエドゥアルド・エルナンデス・ソンセカとPGのジョゼップ・フラン、2人がフル稼働すれば上位進出もと期待が高まります。さらにACB経験がある選手としてはマルコス・スカ・ウムアシエル・センゴティタベンゴアパブロ・アルマサン、そして昨季はフランス3部リーグでプレーしていたエクトル・マンサーノが加入しています。

レイマ・ナトゥラ・バスケット・コルーニャ(昨季2部10位)

数人のベテラン選手以外は若手で固めた今季のメンバー、プレーオフ進出を狙います。エースは昨季もスペイン1部ACBのセビーリャからレンタルしていた21歳200cmのジョージア代表SFベカ・ブルジャナゼ(昨季は19歳で平均12.7得点でチーム1位)、司令塔はジョアン・クレウス(23歳、父親はリーグを代表するレジェンド選手)です。また外国人選手として2人のアメリカ人選手、Zach Monaghan(188cm / PG)がミネソタステイト大、Ben Stelzer(185cm / SG)がミシガンテック大、ともに新卒プロ1年目がスペイン2部です。他に元U20スペイン代表のラリー・アビア、テンプル大出身のスペイン人ビッグマンのセルヒオ・オルモスなどがいます。

 

オビエド(昨季2部11位)

昨季チームでエースだったスペイン人SFアルバロ・ムニョスがドイツ1部リーグに移籍、チームのアシスト王で得点2位のフェラン・バッサスに期待がかかります。またACB経験のあるディエゴ・サンチェスマリオ・カバナスがいますが、戦力的には厳しいか。2013年U19スペイン代表のハビエル・マリンも在籍しています。

またHCは2002年スペイン代表PGだったカルレス・マルコさん、昨季までは4部リーグのチームを指揮していたそうです。

ペーニャス・ウエスカ(昨季2部12位)

若手育成に定評のあるキム・コスタHCがいるという理由もあってウエスカは毎年、ACBのチームから出場機会が得られない若手を託され、レンタル移籍で得た若きタレントを中心にチームを作る珍しいチーム。今季も将来性豊かな若者が揃っています。なんとROSTERの平均年齢は21.45歳です。

チームのエースは19歳20歳の時にウエスカに在籍していた22歳のリュイス・コスタ(187cmでバルサのカンテラ出身 / 今年夏1部ACBマンレサと3年契約の後、ウエスカにレンタルされました)、注目はラボラル・クチャからレンタル移籍の17歳2mのリトアニア人SFタダス・セデケルスキス、同じくラボラル・クチャに籍がある19歳のブラジル人PFダニエル・ボルディグノン(206cm)は未来のACBスター選手かと。他にもACBギプスコアからレンタル移籍のゴラン・フスキッチ(212cm)、サラゴサからレンタル移籍の19歳202cmのマルコス・ポルタレス、外国人選手もサザンイリノイ大から新卒のアメリカ人PGのクリス・デイビスと契約しています。そしてチーム最年長は24歳のギジェン・コロム、彼もACBのアンドラからのレンタル選手です。

コシナス・プント・コム(昨季2部13位)

新加入選手は5人と動きの少ない珍しいチーム、その5人の中の1人アドリアン・ラソはスペイン1部ACBでも活躍、スペインB代表と期待の若手PFです。もう1人は昨季のチームの中心チェコ人ガードのヤコブ・クドゥラーチェク(昨季は平均28.2分間11.4得点4.8アシスト)

C.B.プラット(昨季2部15位)

クラブの正式名はClub Bàsquet PRAT-Joventutで、スペイン1部ACBの名門(育成で有名な)ジュベントゥットのBチーム的な存在のチーム、20歳前後のタレント集団で常にACBチームにコールアップされる可能性もありますし、チームも3部に降格しなければよし、選手をいかにトップに送るかが目標となるでしょう。そのためシーズン中にはU18チーム(ジュニオール)からもこのプラットへどんどんコールアップされる仕組みです。

チームの中心になるのは今年夏U20やU19スペイン代表でプレーしたホセ・イグナシオ・ノゲス(204cm / 20歳)、アグスティ・サンス(194cm / 20歳)、ダビド・イリアルテ(205cm / 20歳)、チャビ・ロペス=アロステギ(197cm / 18歳)、マルク・バウサ(206cm / 19歳)、オスカール・アモ(205cm / 20歳)

さらには211cmの19歳モンテネグロ人のゾラン・ニコリッチも在籍しています。

アミックス・カステジョ(昨季3部2位)

昨季3部リーグのレギュラーシーズン2位でプレーオフ制覇して2部昇格を決めたアミックス・カステジョは1990年代中頃の創設で初の2部リーグ参戦になります。ACB経験があるような選手もおらず厳しい戦いが予想されます。

カセレス(昨季3部1位)

昨季3部リーグのレギュラーシーズン1位でリーグ優勝を決めたためプレーオフ抜きで2部昇格(2部復帰)になりました(※プレーオフは2位から9位の8チームで争う形)チームの顔はACB経験もある小柄なPGホセ・アントニオ・マルコ(昨季3部で平均7.1アシストで3部のアシスト王)、チームの得点はアニャテルベ・クルスが平均12.4得点でした。

※2人のリトアニア人選手(23歳202cmロランダス・ヤクシュタスと25歳207cmタウトヴィーダス・シュレジャス)が在籍しています。シャレジャスは新加入、ヤクシュタスは在籍2年目です。

F.C.バルセロナ・ラッサB(昨季3部12位)

1部ACBのバルサのセカンドチームです、おそらく2部が奇数チームだったため3部以下のチームに打診があって、バルサがBチームを2部で戦わせたい(予算もオッケー)ということで2部参戦となったんだと思います。

これでスペイン国内リーグとユーロリーグを戦うトップチームでメンバー外になった選手がBチームでプレーしたり、トップで怪我人が出ればBチームからコールアップがあったり、U18チーム(ジュニオール)でいい選手がいればどんどんBチームにコールアップされて2部リーグの試合に出たりという環境です。

バルサBは豪華です!HCにアルフレッド・フルベさん、教育係というか若手の見本としてバルサレジェンドのヤカ・ラコビッチ(37歳 / 元スロベニア代表)とルボス・バルトン(35歳 / チェコ代表)と契約しました。

この大物2人をのぞいて12人のメンバーリストを見ると、最年長が25歳のパパ・エムバイェ、あとは見事に20歳から17歳くらいの選手で構成されていて、平均年齢も脅威の17.25歳!このチームが(ラコビッチとバルトンがいるとはいえ)スペイン2部リーグに参戦するんです

PGにはセルビアのステファン・ペノがいて、SFには17歳でラトビアから新加入のロディオンス・クルッツ(206cm)、インサイドには昨季ユーロリーグの試合でトップデビューしたエミール・スレイマノビッチ、そして昨季はACBのマンレサにレンタル移籍してプレーしていたマルク・ガルシアが戻ってきて今季はBチーム(2部)でプレーします!

※バルサのトップチームも現在15人の選手がいて、登録外になった選手はBチームでプレーの可能性があります。例えば今年NBAドラフト指名されたマーカス・エリクソンやドラフト候補になったセネガル人のモウッサ・ディアグネなどです。

視聴方法

公式サイト
http://www.leboro.es/

男子スペイン2部リーグは18チームなので毎週9試合(各チーム1試合)、17×2の34試合がレギュラーシーズンです。これを全34週=34節=Jornada(ホルナダ)と呼びますが、各節9試合のうち8試合は金曜日夜の試合となっていて、1試合が土曜日に組まれるというのがよくあるパターンです。9試合とも金曜日夜というパターンもあります。また以前のあるパターンとして、バルサのトップチーム(1部ACB)の試合が日曜日夜の場合、その前座試合扱いで2部リーグのバルサBの試合が日曜日昼に組まれる時もあります。

中継ですが、なんとスペインバスケットボール連盟(FEB)によるFEBTVというのがあり、完全無料で生中継視聴可能です! → http://adecco.febtv.com/index.aspx ただし各節全試合ではなく4-5試合がセレクトされて配信されています。

後日、FEB公式YouTubeに丸々アップされて後から視聴も可能ですが、その場合音声がなくなり、カメラもワンカメになり見るのは結構苦痛です。生中継ならば実況や会場の臨場感もありますし、カメラも複数切り替わるので見ていて楽しいです。

問題はスペイン現地の金曜日夜21時試合開始が多いので、生中継を見るには日本時間の土曜日早朝3時(サマータイムが終われば4時)からという部分ですね。こういった時間に起きてFEBTVにアクセスすれば、スペイン男子2部リーグの試合を存分に楽しむことが可能です!