NBAは2014年NBAドラフトにアーリーエントリーを表明した75名(うちインターナショナル部門は30人)を発表しました。なおアメリカ現地の東部時間6月16日(月)午後5時まではエントリーの取り下げが可能とのこと(つまりもう今からエントリーはできないということ)またドラフトは6月26日。
スペイン人は2人、スペインリーグからは8人
スペイン人としてはドラフト5位でルビオ、22位でビクトル・クラベール、34位でセルヒオ・リュルがドラフト指名されたのが2009年、以後2011年に帰化選手のスペイン人ニコラ・ミロティッチ(レアル・マドリード)が23位、2013年に32位で指名されたアレックス・アブリネス(FCバルセロナ)が最後、NBA選手となると2012年7月にポートランドと契約したビクトル・クラベールが最も新しい選手、以降スペイン人NBA選手は誕生していません。
ギジェン・ビベス
リッキー・ルビオやルディ・フェルナンデスを育てたジュベントゥット・バダロナ、古くはラウル・ロペスなんかも出身ですが、そのジュベントゥット所属の20歳192㎝のPGギジェン・ビベスが、今年のNBAドラフトにエントリー
今季トップチームでブレイクし、スペイン国内ではバルサが獲得に興味を示しているなど、将来期待の若手ガード選手、2013年U20スペイン代表です。
最新のスカウティング・レポート動画(6分59秒)です
https://www.youtube.com/watch?v=p91H2_eLhZk
※ちなみに今季開幕前2013年7月にジュベントゥットとの契約を2017年まで延長しています
追記)2013-14シーズン・スペインACBの最優秀若手選手賞を受賞しました
アレハンドロ・スアレス
同じくジュベントゥットの選手で20歳204㎝のSF/PF、2013年U20スペイン代表選手。スアレスのエントリーはやや意外でした。あるスペインのサイトでは、「コーディネーション、才能、フィジカル、どれをとっても彼が輝くためには十分なものを備えている、ただまだNBAに行くには時間がかかるだろう。」なんて書かれてしまっています。
スペインACBでプレーする外国人選手6人
ラスマス・ラーセン(デンマーク)212㎝ / 19歳
一部ではデンマークのパウ・ガソルと呼ばれているビッグマンで、17歳の時にスペイン1部ACBマンレサと4年契約した逸材です。実はドラフトの大穴かと睨んでおります、今季開幕戦ではこんなプレーを披露して話題になりました。
2015年6月追記:2015年5月自宅にて遺体で発見されました
マーカス・エリクソン(スウェーデン)196㎝ / 20歳 / SF
16歳でACBデビューしたシューター、翌年FCバルセロナと4年契約してバルサBチームでプレーしていましたが、今季からレンタルでACBのマンレサでプレーして開幕から好調、チームの主力としてプレーしています。
またつい最近スウェーデンのTVの企画で3Pシュートを62本連続で決めたという動画
バルサB時代31得点
追記)スペインACB2013-14シーズンの若手1stチームに選出されました
クリスタプス・プアルズィンギス(ラトビア) 211cm / 19歳
スペインのカハソル・セビーリャ所属、スペインではポルジンギスに近い発音ですが、プアルズィンギスは日本語堪能なラトビア人の方にTwitterで教えてもらいました。2010年9月15歳でセビーリャと契約して以後、スペイン流育成組織で育ってきました。以後17歳でトップデビュー、今季はトップチームに定着して才能を披露し始めているところです。
ここ2シーズン(2012-13,2013-14)カハソル・セビーリャのトップチームのHCはアイト・ガルシア・レネセスさん、2005年に14歳でリッキー・ルビオをACBデビューさせた、そしてスペイン代表HCとして17歳でルビオを代表デビューさせた人です。そのレネセスさんの手でこのプアルズィンギスもプレータイムを得てブレイク間近、Draftexpressでは23位でユタ・ジャズが指名なんて予想も(2014年5月上旬現在)
なおプアルズィンギスは4月にASMスポーツのアンディ・ミラーと代理人契約を結んだと報道されています。
追記)スペインACB2013-14シーズンの若手1stチームに選出されました
追記)5/20 DraftExpressが最新のスカウティング動画を公開しました
https://www.youtube.com/watch?v=0WOEG1k2eCw
6/16追記:上位指名が予想されていましたが、ドラフトエントリーを撤回した模様
デヴォン・ファン・ウーストラム(英国) 190cm / 21歳 / PG
オランダ系ですがロンドン五輪イギリス代表選手、今季から1部ラボラル・クチャのトップチーム入りしましたがまだあまりプレータイムもない選手、おそらくドラフト当日前にエントリーを取り下げるのでは?と見られています。2011年18歳でイギリス代表デビュー、スペインの育成組織で16歳からプレーしている神童ですが、どうでしょうか。
ジョーナス・カヴェン(フィンランド) 211cm / 21歳 / C
18歳からルビオやルディ、前述のギジェン・ビベスと同じスペインのジュベントゥット・バダローナで育ったフィンランド人ビッグマン、今季トップデビューを飾りましたがまだまだこれからの選手かと。
モウッサ・ディアグネ(セネガル) 211㎝ / 20歳 / PF
スペイン1部ACBフエンラブラダ所属、今季からトップチームに定着して才能を披露しています。フエンラブラダは近年で言うとメキシコのグスタボ・アヨン、コンゴのビスマック・ビヨンボを育てNBAへ送ったことでも知られる育成というか若手の才能の発掘に長けたチーム。スタッツ的には大したものではありませんが、ドラフト前のワークアウトで良い物を示せれば2巡目下位での指名はありえるかもしれません。
※ちょっと古い動画ですが、ディアグネです
スペイン関連以外、でも注目!の選手
ダンテ・イグザム(オーストラリア) 198cmのPG/SG
説明不要でみなさんご存知だと思いますが、今度の7月13日に19歳になるオーストラリア国立スポーツ研究所(Australian Institute of Sport)通称AISの出身選手、2013年のU19世界選手権クォーターファイナルでの豪州対スペイン戦でのイグザムは圧倒的でした、まさに未来のスターとして突出しておりました、はい
ダリオ・サリッチ(クロアチア) 207cm PG/SG/SF/PF
彼も説明不要なくらい有名かと思いますが、16歳ですでにクロアチアリーグで出場していたとか、17歳でNIKE HOOP SUMMITに出て活躍しちゃったり(翌年も出場)とか、207㎝あるのにPGからPFまでできたりとか、年代別クロアチア代表でも無双してましたし、すでにA代表でもプレーしています。クロアチア人ですがネクスト・クーコッチという声はあまり聞いたことなくて、ネクスト・ノビツキーとか、ドラゼン・ペトロビッチとの比較が多いですかね(身長全然違うのに、存在としての比較ということでしょうか)
なおエージェントでもあるお父様が、いろいろ画策していてレアル・マドリードやバルサ、トルコのお金のある強豪チームで3-4年プレーしてからNBAへ行くというプランも持っているみたいです。
http://www.youtube.com/watch?v=rCk4vUx0_J0
ヴァシリイェ・ミチッチ(セルビア) 195cm 20歳 PG
ダンテ・イグザム同様2013年のU19世界選手権で圧倒的な力を見せ、セルビアを銀メダルに導き、大会ベスト5にも選出、そして同年フル代表としてセルビア代表入り、ヨーロッパ選手権にも出場した貫禄あるベテラン選手のようなガード選手。すでにテオドシッチの後継者かと思うような、ちょっとNBA向きじゃなさそうなガード選手ですが、有名ドラフトサイトも20-30位代での指名を予想しています。
http://www.youtube.com/watch?v=JWvOgG3mUBg
マティアス・ボルトリン(アルゼンチン) 208cm 21歳 C
昨年のドラフトでもエントリーしていて最終的にはエントリーを取り下げていましたが、15歳ですでに203cmあって(ビッグマンが少ないアルゼンチンでは)かなり注目されていた選手です。Twitterなどで名前も頻繁に見ていましたが、今21歳。今季アルゼンチンリーグで新人王みたいな賞をとっていましたが、どうでしょうか?一部ではイタリアのパスポートを所有しているので、来季はイタリアのチームと契約するのでは?と噂されています。
6/16追記:エントリーを辞退した模様
まだまだたくさんいますが..
スペインのバスケットボールを中心に追っているものでギリシャとか、フランスにいる選手はほとんど知りません、でもたぶん指名されるような若手スターがいると思います。特に2014年4月のNike Hoop Summit世界選抜チームでプレーしたClint Capela(スイス)Damien Inglis(フランス)Nikoa Jokic(セルビア)などは一足早くアメリカの地でプレーを披露したことになりますね、PDFですがスタッツのリンクはこちらです。
関連リンク
6月7日から9日 アディダス・ユーロキャンプ/ニュース
アディダス・ユーロキャンプ参加選手リスト
NBA Draft 2014 – Workouts / European Prospects
14年5月25日追記
どうも、国際選手の場合22歳になった時点でわざわざエントリーしなくても、エントリーした扱いになるようで(だからわざわざアーリーという表現があるのかな?)、あとはアメリカの高校を卒業しているbj秋田の富樫選手のようにアーリーエントリーしなくても、アメリカ国外でプロ契約してプレーすれば自動的にエントリーしたことになるとか、いろいろルールがあるようです。なので、冒頭のインターナショナル部門30人以外にも全然指名される可能性はあるって事ですね。例えばちょうどばっちり22歳になったスペイン1部ACBグラン・カナリア所属のウォルター・タバレスなんてどうでしょう。220㎝でカーポベルデ代表、今季ACBで若手選手1st Teamにも選出されました。
国際選手の場合22歳になった時点でわざわざエントリーしなくても、という部分さらに追記
宮地さんからご指摘いただきまして、正確な表現としては、年内22歳になる選手ということのようです、さらに詳細規定としては、
@el_baloncesto 国際選手の場合は「22歳になった時点で」ではなく、年内に22歳になる選手は自動的にドラフト対象です。国際選手は、①ドラフト前3年間はアメリカ国外に居住し、国外のチームででプレー②アメリカの高校を終えていない③アメリカの大学に入っていない、が条件です。
— Yoko Miyaji (@yokomiyaji) 2014, 5月 25
この3つの条件ですと、前述のウォルター・タバレスはばっちりあてはまりますね。他に昨年夏渡米してトレーニングをしていたと報道されたスペイン人ミキ・セルベラも1992年7月14日生まれということで対象かと、こんな選手(過去記事)
さらに、今後、来年以降も迷った時は公式サイトということで、こちらもご紹介いただきました
@el_baloncesto 引用は構わないですけれど、もっとちゃんとした情報元、ということなら、リンク先が詳しいです。→ http://t.co/PMSRvlVxiE インターナショナル・プレイヤーの定義は同じサイトのここ→ http://t.co/o1ICt0VLez
— Yoko Miyaji (@yokomiyaji) 2014, 5月 26
14年5月31日追記
上記の年内22歳になる選手のことをTwitterで見ていると、Draft auto-eligibleという表現で紹介されていることに気づきました。というかそういうリスト(英語)のページを見つけました。
自動エントリーとなる選手の紹介(国際)
ウォルター・タバレス
上で追加した、スペイン1部リーグACBのグラン・カナリアでプレーしている220㎝の選手、スペイン人ではなくカーポベルデ代表選手、詳細は少し上のところをご覧ください。
オンドレイ・バルビン
スペイン1部カハソル・セビーリャ所属で215㎝(スペインでの登録)のチェコ人ビッグマン、18歳でスペインのチームとプロ契約、4シーズンを過ごしました。
http://www.youtube.com/watch?v=6Rk_1cNWQnE
ボグダン・ボグダノビッチ
セルビア代表でパルチザン所属、2013-14シーズンのユーロリーグ・ライジングスター賞です(ここ数年ブルックリン・ネッツが目をつけているボヤン・ボグダノビッチ(クロアチア)とは別人なので注意。197㎝のSG選手。
アレッサンドロ・ジェンティーレ
ユーロリーグではすでに有名なイタリア代表2mのSG/SF選手、ユーロ2013でも活躍し未来のスター候補生です。
ラファ・フレイレ
188㎝のブラジル人PGで15歳からスペインでプレーしている、スペインでの登録名はラファ・ルス。
ゴラン・フスキッチ
2013年7月21歳でスペイン1部ACBのギプスコアと5年契約した212㎝のセルビア人ビッグマン、その前は母国の2部リーグでプレーしていた。まだスペインACBでもほとんど出番をもらっていない。